Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

水ビジネス最前線


⚫8リットルペットボトルの優位性

①運送会社による値上げで、往復便での「天然水のお届け」「空ボトルの回収」という従来の方式の継続が不可能となりました。それは従来の方法論を根底から覆すこととなった代わりに、価格の抜本的な見直しの余地を一気に広げることにつながりました。2リットルのペットボトルと比較すると、8リットルという容量は2リットル4本分に相当します。そこで、単純に、「2リットルボトル4本+キャップ4個」と、「8リットルボトル1本+キャップ1個」の原価は、どちらが、どれほど高いのか?という比較をしてみましょう。
現状では、大きなミネラルウォーター工場では、ペットボトルを作る成形機を有しボトルそのものも製造しています。そのため、どちらに軍配が上がるかは微妙ですが、「大差はない」というのが、私の見解です。その見立てが正しいなら、8リットルペットボトル入り天然水を、安価な2リットルペットボトルと同程度のリッター単価で売ることはできるはずです。その上で、8リットルボトルが普及して行けば、形勢は容易に変わることでしょう。多くのボトル工場で8リットルボトルが作られるようになれば、その調達コストが下がるのは必然だからです。

②次に、2リットルペットボトルと8リットルペットボトル詰めのミネラルウォーターのプラントについても、比較して見ましょう。2リットルペットボトルの場合は、大量生産が大前提となるため、プラントの規模は必然的に大きなものとなります。一方、8リットルペットボトルの場合は、プラントの規模を一気にコンパクト化することができます。それでも、弊社のオリジナルプラントでは時間当たり100本の製品を作ることができます。月産にして25,000本に上る製品を製造することができるのです。

(つづく)


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水ビジネス最前線


借金に次ぐ借金を重ねる国の財政を見れば、「最早、水道の維持・管理を国に任せることはできない」ことは明らかです。湧き出たばかりの「天然水」を「地産地消」するシステムを組む。単位はどれほど小さくとも良いので、エリア毎に需要に見合った供給を民間が請け負う。その態勢を積み上げて行けば、「現在の公共水道よりも、遥かに安価で、価値の高い天然水を全国民に供給することができます。」アメリカで発達した5ガロン詰めの宅配水は、「経済性」「安全性」を背景に、実際に公共水道に取って代わりました。

しかし、それが「天然水の宝庫」である日本では、遅々として前に進みません。私たちが「天然水」を源水として、アメリカに倣って始めた事業は、後発の「アクアクララ」等により、「都会の水道水」を源水とした「人工水」の攻勢に圧倒されてしまったのです。不況に喘ぐ日本では、「アクアクララ」等供給側の「水は儲かるもの」という「皮算用」に代理店が乗せられ、アメリカとは全く異質な宅配水業が形成されることとなりました。
ただ、「利用者の必要性や経済性」を無視した商品が、人々に「受け入れられる」ことはありませんでした。まして、生活にとっても、健康にとっても不可欠な「水」は、「公共水道に取って代わる」という「大義」なくして、普及する道理はありません。そして、万人が必要とする水道の供給は、相応の「水源」と「生産者」の確保という裏付けなしに達成することはできないのです。

そこで、私たちは、「現在の公共水道に取って代わる」という目標を掲げ直し、その目標達成のために新たに「分かり易い」戦略を組み立てることとしました。それは、「8リットルのペットボトルに詰めたウォーターサーバー仕様の天然水を、2リットル以下のペットボトルと競合できる価格で販売する」というものです。

(つづく)


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⚫公共水道に取って代わること。それは「時代の要請」です。

公共水道を囲む環境に変化が生じ、その「維持・管理」に掛かる莫大な費用が地方自治体の財政を圧迫するに至っています。地方の人口減が税収減に直結し、「水道や道路」といったインフラの更新に予算が割けないという事態に及んでいます。一方、山国である日本は「天然水の宝庫」です。日本名水百選を見るまでもなく、日本には数え切れないほどの名水の里があります。そして、「水博士」の小島貞夫先生が仰るように「天然水が一番安全でおいしい」のですから、無数の名水の里を「取水地」とし、湧き出たばかりの天然水を精密濾過して瓶詰めにするという「方法」を用いれば、公共水道に代わる「天然水道」の構築ができます。

一度汚染に晒された河川水を大量の薬品を使って、辛うじて「飲める代物」にする。その「壮大な無駄」は、費用の問題だけでなく、健康リスクを高めるという事態を生じさせています。また、地下に埋設され、既に老朽化した水道管による「漏水」や「再汚染」というリスクも現実のものとなっています。「コンクリート」で固めた施設・設備に、「恒久性」を求めることはできません。それを今、私たちは、60〜70年という歳月を経て「目の当たり」にしているのです。しかし、老朽化したインフラを更新しなければならないとすれば、車社会である現代では「道路」が優先されます。その分、私たちの「健康」に直結する「水道」は、「後回し」にされてしまうという現実を、私たちは直視しなければなりません。

(つづく)


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そうした中で、3ガロン・5ガロンによる往復便も、日本ではその姿を消そうとしています。アメリカで発達したガロンボトルによる「水宅配事業」は、今や完全に公共水道に取って代わっています。また、元々公共水道を持たない国々でも、「水道」に代わる「飲食用水」の供給法として、このボトルが大活躍をしています。「飲食用」に使う「水」の供給には、大型の容器が不可欠です。また、日常的に使うものですから、「使い捨て」容器では不経済なだけではなく、誰もが「Mottainai」と感じるため、ガロンボトルは世界中で普及しています。
ただ日本だけは、このボトルが定着する機会を逸してしまいました。それは、端的に言うと「日本の宅配水事業が、アメリカのように公共水道に取って代わる」という「大志」を抱かないまま、見当違いな商売に終始してきてしまったからに他なりません。

「水は儲かる」と考える人たちにより、日本では「都会の水道水を逆浸透(RO)膜で濾し、瓶詰めにする」という安直な方法が取られました。「製造工場を消費地に建てれば、運賃を最小化できる」。そうした皮算用で商品化した「瓶詰め水」を、箔を付けて高く売る。そのために、ウォーターサーバーを無償で貸す。この「見え透いた商法」が、人々の「良い水を飲みたい」というニーズを満たすことはありませんでした。そして、皮肉にも「水があまりに高かったため、折角高いサーバーを無償で貸しても、その元手の回収すらできない」という「お粗末」な「商売」となってしまったのです。この「割の合わない」商売は、サントリーやオリックスが手がけても、同じ結果を招くことしかできませんでした。
結局、足掛け30年にも及ぶ、日本版「ガロンボトル宅配ビジネス」は、「時代の要請」に応えることのないまま幕を閉じようとしています。そして、このビジネスに最後の引導を渡したのは、インターネット通販の隆盛と運送会社の運賃値上げといった「潮流」だったことも付け加えて置きます。

(つづく)


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⚫ガロンボトルビジネスの崩壊

今年6月に発表されたサントリーウォーターレポートは、「宅配水」の現状をこれ以上ないほどに露わにしました。当のサントリーが、「ジャパネットたかた」を通して売り出したサーバー対応の宅配水が不発に終わりました。また、オリックスが前代未聞の高額で、コスモウォーターから買収した「宅配水事業」も「鳴かず飛ばず」のままです。その結果を受け、「宅配水の利用者は、前年の7.8ポイントから1.2ポイント減らし、6.6ポイントへ減少した」ことを、ウォーターレポートは記しています。一方で、「2016年は、国産ミネラルウ ォーターの生産量は増加。一人当たりの消費量も過去最高となり、10年前と比べ1.5倍となった」ということですから、一人負けとも言える「宅配水の衰退」は否が応でも浮き彫りとなりました。

この結果を、あなたならどう解釈しますか?
私は、ミネラルウォーター分野で圧倒的な強さを見せてきたサントリーが「満を持して」宅配水事業に参入した訳ですから、この市場でも「強さを発揮する」ものと考えていました。が、結果は惨憺たるものでした。サントリーの参入によっても、「宅配水市場は大きくならなかった」ばかりでなく、二つの大企業が「テコ入れ」をしたにもかかわらず、「宅配水の利用者は、(逆に)前年より減少」してしまったのです。何らかの「活性化」をもたらすだろうという期待と裏腹に、サントリーの参入とその惨敗は、この業界の崩壊を示唆するものとなりました。6.6ポイントという数字は、それほど「小さい」と言う他ありません。この数字の中には、アクアクララやクリスタルクララやフレシャスウォーター等々まで含まれているのですから...。

(続く)


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