勉強会(100分の2回目)腸内フローラ
ここにお集りの方々は、「食の安全性」に関して、重大な関心をお持ちです。その関心を「腸内フローラ」という観点から見つめ直してみてください。私たちは、人間に限らず、細菌にいたるまで、この地球という星の環境に適合する能力を磨くことで生命を紡いで来ました。しかし、気の遠くなるほどの歳月を経て獲得してきた適合性を、私たちは一方で「通用しない」ものとする道を歩んで来てしまっているのです。
現代の食べ物や摂取する薬によって、私たちの体やそこに共生している常在菌は経験したことのない「試練」に晒されています。NHKスペシャル「腸内フローラ」で最も面白かった話は、「冒険好きなマウスと怖がり屋のマウス」の腸内細菌を入れ替えてみたところ、性格そのものまでが「入れ替わってしまった」という件です。腸内細菌は、食物繊維を多く取ることで活発な働きをすることが知られています。それが、肥満体質の人間の腸内細菌をマウスに入れてみると、そのマウスが肥満体質をまとってしまうように、腸内細菌のちがいは性格まで変えてしまうと言うのです。重要なことは、私たち自身も実は「気付が付くことなく」、そのような変化を「受入れて」しまっているという点です。
(つづく)