ミトコンドリアの不思議
「なんと」藤田先生のいう「免疫」に深く関わる「人体常在菌」よりも、もっと人体と「高次なつながり」を持った微生物が存在していました。それが「ミトコンドリア」です。ミトコンドリアは、人体だけでなく、植物や菌類や勿論人類以外の動物の細胞の中に「文字通り」共生しています。それだけではなく、「細胞核の中でエネルギーを作り出す」といった最も不可欠な働きを担っています。これは、「もう」「たいへんなことだ」と私は思いました。つまり、人体は「自力で動いているわけではない」ということです。「健全なる精神は、健全なる肉体に宿る」とすれば、その「健全なる肉体は、健全なるミトコンドリアに宿る」ということになります。逆に言えば、人類が獲得した「他の動物に比べてずば抜けて高い活性酸素を除去する能力、傷ついた遺伝子を修復する能力」は、人類とミトコンドリアの「共作」に他ならないということになります。
(つづく)