藤田紘一郎著 「体をつくる水、壊す水」
この溶解性は、水に不純物が含まれないほど強く表れます。たとえば、半導体製造では各プロセスで超純水を使って洗浄作業を行います。通常の洗剤を使えない場合では、超純水が洗浄剤として使われます。水の純度が高くなるほど「ハングリーウォーター」となって、いろいろなものを溶かし込んでくれるからです。
半導体産業の洗浄作業では、通常の水は使えません。純度の低い水は洗浄能力が落ちるという点に加えて、水内の不純物で半導体を汚してしまうという問題が起こるからです。よって、高純度の水が求められます。原子力産業や製薬事業、高度なバイオテクノロジー産業などでも、超純水が洗浄作業で使われています。
(つづく)