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閑話休題 4

日本は、アメリカの恩義に十分報いてきました。60年の長きに渡って忠誠を誓ってきた日本を脇に追いやり、アメリカが中国に乗り換えを図らなければならなかった必然性とは何だったのでしょうか?それは、「経済は成長しなければならない」と考える資本主義の「神話」が導いた誤謬だと、私は考えています。
元々、資本主義は「経済成長」を前提としています。しかし、「金融立国」を目指したアメリカは、経済成長を絶対化する道に足を踏み入れてしまいました。株式は経済が成長しない限り値上がりしません。また、投機マネーも然りで、アメリカの経済が表面上であれ成長するからこそ、マネーはアメリカに環流するのです。そのために、不必要なまでの「成長戦略」が取られ、それが実行されてきました。毎年、経済を成長させ続けるということは、ものすごい負荷を伴います。そして、その負荷をはねのける勢いが、いつしか逆戻りできない流れを作ってしまっていたのです。その折りに、地球温暖化や資源の枯渇という「経済成長」への逆風が誰の目にも明らかになり、「神話」への疑念を急速に膨らませました。そして、その疑念を、余りにも拙速に打ち消そうとしたことが、その後の流れを決定付けたように思えます。

今の経済の有り様を、銀行や証券会社に押しつけても何の解決にもなりません。そもそも、日本が勢いづけてしまった流れを、それを制してまで中国に乗り換えた時点で、アメリカは論理的な逸脱をきたしてしまったのです。日本は、中国に対しての妬みからではなく、その過ちをアメリカに進言すべきです。しかし、アメリカに二号さん扱いされてなお、自分たちもまた自国経済を「中国頼み」とする日本の姿を見る限り、アメリカの率いる世界経済に救いの道はありません。自由主義国が、不自由で不平等な取引を申し出た挙げ句、その相手国に首根っこを押さえつけられ、尚かつ「あなたが唯一の救いだ!」と叫んでいます。このアホさ加減に、「なぜ日本までもが付き合おうとしているのか?」私には不思議でなりません。
(つづく)

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水は、あらゆる生命の細胞をくぐり抜けることで生き物たちを束ねながら、地球と成層圏を舞台に、輪廻転生をくり返しています。
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