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世界の危機

水に関する記述を中断して、「世界の危機」についての話を何回かに分けて掲載します。「世界の危機」は「水の危機」でもあります。ただ、話がごちゃごちゃにならないように、文体を変えて載せますので、それを頼りに読み分けていただければ、幸いです。

世界の危機 その1

私たちは、実にたくさんの「問題を抱えている」が、答えを導き出せないでいる。だが、そもそも答えと原因は表裏一体の関係にある。そして、その観点で原因を探ると、一見無関係と思われる事柄も、つながっていることが見えてくる。

私たちが抱える難問の原因は明らかで、「人口過多」だ。
通常生き物の世界では、個体数が異常に増え続けることはありえない。「餌」がなければ、勝手に個体数だけ伸びようがないからだ。餌が豊富な時に個体数を増やしたネズミの群が、目の前のものを食べ尽くしながら行進し、海に身を投げる。餌に見合わない個体数の伸びは、結局、そのアンバランスをどこかで解消せざるを得なくなるのだ。
人類の人口は、産業革命以降200年以上に渡り、異常な伸びを続けた。10万年以上の間横這いだった人口は、横這いの線に対しほぼ直角な線を描くように伸び、現在に至っている。この異様さが、恒常的な食料危機を招き、資源不足を生じさせ、地球の温暖化につながった。人間だけが、生き物の摂理と無関係でいられるはずがない。人類は「餌」の総量からして、これ以上人口を増やせない地点に行き着いてしまったのだ。しかし、私たちはそれを自分たちで認識できない。否!認識しようとしない。そのために、地球が異変を通して、事の重大さを私たちに訴えかけているのだ。

それにも関わらず、私たちはなお「景気の回復」を祈り、「人口の減少」を嘆いている。この脳天気さが、私たちを破局に誘っているというのに、私たちにはそれすら分からない。事態が悪い方向に進んでいるのに、立ち止まることをせず、冷静に解決策を探ることもない。私たちは、今海に向かって「死の行進」を続けるネズミと変わらないのだ。

人口が異常に増えたことには、確たる理由がある。産業革命が資本主義を生み、労働者の生産性が利潤を生みだした。資本主義が成熟するに従い、消費も利潤を生み出す訳だが、人々は労働と消費の両面で利潤を生み出す存在となった。人が多くなればなるほど、資本家は利潤を膨らませられる。それが、人口膨張のメカニズムだ。だが、増えた人間は切りもなく食料も資源も消費し続けるのだから、このメカニズムがずーっと続けられるはずはない。そんなことは、子供でも分かることだが、欲に駆られた大の大人は、「それが分かっていても、自分だけ、そこから外れる勇気を持てなかった」と述懐する。流れが出来てしまえば、誰もそこから外れることも、その流れを止めることもしない。結局、私たちは「過ちを正すことができない」のだ。

人口の適正化は絶対命題だ。食料不足が進行しながら、それでいて、人口が増えるという道理は成り立たない。そのため、人口の減少は回避できない。問題は、それがどれほど急激に進行するか?ということだ。
減少のスピードを決める要素は、いくつかある。まず、私たちが「すぐにでも、食料の増産に取り組めるか?」という点だ。海洋資源の枯渇が今のペースで進めば、食糧危機は危険水域に突入する。また、穀倉地も地球温暖化の影響で旱魃に見舞われる。それを補うだけの農地の開拓を始め、真水の減少も計算に入れて、如何に食料の増産体制を整えるかを真剣に考えないと、飢餓は目前に迫っている。
もう一つは「浪費経済との決別」だ。浪費を推進力とした経済が、元に戻ることはもうあり得ない。人口が減れば、経済は縮小していくのだから、意図的にそちらに舵を取らなければ現実との乖離は広がるばかりだ。工業国も、途上国も、労力を農業に注ぎ、食料の確保に励まなくてはならない。財政出動をして、景気の回復を図るということは、「今何が起きているのか」を全く理解できていないことの証左だ。経済危機の前に、私たちは地球温暖化の脅威に晒されていることを知った。それが経済危機の引き金になったことを、忘れてはならない。

できることならば、人口減少はゆっくりと進んで欲しい。だが、上記2点についても、世界はまともに取り組もうとしていない。健全でない考えの上に出来上がってしまった流れであっても、人間はおいそれとはそこから下りることをしない。破綻していることが明らかでも、そこにしがみついている人々には、それが破綻していることすら分からないのだ。だから、後手を踏む。気がついた時には、すでに手遅れで、食料の奪い合いが始まる。壮絶な争奪戦は、殺し合いや戦争に及ぶ。人口の減少は、穏やかに進んで欲しいが、急激に進行する公算が大と言わざるを得ない。

今起きていることは、金融危機でも経済危機でもない。人間の欲望が、生き物の摂理を曲げてしまった。その神をも恐れぬ人間の奢りが、地球の危機を生んでいる。人口の膨張が、経済の過熱を生んできたが、私たちはこの間に変節を遂げた。超えてはならない一線を飛び越え、欲望を全開させた。それは長きに渡り、あらゆる宗教が戒め、あらゆる思想が警告を発してきた一線だ。
今の世界の危機は、人間存在の危機に他ならない。その意味で、私たちが剥き出しの欲望を仕舞い込み、本来の人間性を取り戻せない限り、この危機が収まることはない。(つづく)

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Author:窓男
水は、あらゆる生命の細胞をくぐり抜けることで生き物たちを束ねながら、地球と成層圏を舞台に、輪廻転生をくり返しています。
私たちは、その再生を果たしたばかりの「天然水」をお届けする、「天然水道」網の構築を目指しています。

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