儲かる商売
だからこそだが、私は、「商売」を「儲け」を元に再構成していくことを提唱したい。「商売」は、資本主義が生まれる前からあった。だから、「商売=資本主義」ではないし、もっと今の現実に合った「商売」を編み出すことはいくらでもできるはずだ。確かに資本主義は、社会主義よりも人々を魅了した。だが、比較対象において決した雌雄は、絶対的な優位性を示すものではない。元々「対峙し合う」モノには、それぞれの長所・短所があ った。だからこそ、世界を二分していたのだ。 どちらも人類が生み出した仕組みなのに、「欲望」のバブル化現象故に一方は「葬り去られる」こととなった。世界を二分していた片方が消えると、本当の意味での競い合いが姿を消す。相手の存在故に、自分たちの長所を伸ばすというモチベーションが失われると、システムから謙虚さが消え失せる。システムの更新が一挙に「お座なり」となる。今の世界経済の低落は、資本主義が一人勝ちしたことによって決定付けられたと言っても過言ではない。 あるいは、人々の「自分も儲けに与りたい」という願望(欲望)が、「全員が儲けることの非現実性と正面から衝突している」と言い換えることもできる。
(つづく)