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Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

人口問題3

中国経済が好調とされている。年率7〜8%の成長を遂げているという。日本も以前は今の中国と同様な伸びを記録し、奇跡的な経済成長ともて囃されたことがある。年率7〜8%の成長というのは、前年対比なので、2年続けてその成長を維持すると、最初の年を基準とすると14.5〜16.6%の成長となる。毎年基礎数字が上がるのに、同じ成長率を記録するということは、このように尋常なことではない。それを日本は一時期いとも簡単にクリヤーし続けた。だが、それを支え続けることは、たいへんなストレスを貯め込まなければ出来なかったのだと言うことを、私たちは後日知ることとなった。
ヨーロッパの先進国もアメリカも、もう既にこのような率で経済を成長させることはない。元々の経済が大きければ、それを高率で伸ばすことは無理な相談なのだ。つまり、日本の経済はとても小さなものだったからこそ、しばらくの間高い率で伸びることができた。だが、基礎数字が上がってしまえば、それは誰にとっても同様だが伸びは鈍化することに決まっている。私たちは、それを分からずに遮二無二に数字を維持しようと努めた。営業マンが目標数値を割り込ませないことに腐心するように、日本全体が数字の維持を大命題と思い込んでいた。それがバブル経済とその崩壊へと直結した。

アメリカの経済は、単独ではこれ以上高率に伸びることができない。人々は有り余るものに囲まれ、これ以上ないほどの富みを貯め込んでいるので、購買意欲はとうに限界を示している。アメリカがこれほど豊かな国になることに、日本は多大な貢献をした。日本の驚異的な経済成長は、アメリカ経済を下支えした。そして、アメリカにお金を貸すことを通じて、今でもアメリカの経済を支え続けている。だが、アメリカにとって日本の利用価値は低下の一途を辿っている。日本にアメリカを満足させるだけの高度経済成長は最早望めず、アメリカは新たな成長を遂げる国を見つけ出す必要性に迫られることとなったからだ。アメリカの経済を支えるためには、高い比率で成長を遂げる国が不可欠なのだ。
中国に白羽の矢が向けられたのは、国が貧しく豊かになることに意欲的なこと、そして人口が多いからに他ならない。年率7〜8%というアメリカが望む成長率が長期に渡って期待でき、ストレスにも強い国これは願ってもない要素だ。そこで資本というカンフル剤が大量に打ち込まれ、中国の経済はいきなり成長を遂げた。多額の貿易赤字を承知で、アメリカは中国をグローバル経済に引き込んだ。年率7〜8%の成長率をコントロールしているのは中国ではなく、アメリカなのだ。日本がアメリカに応えたように、中国も必死に高率を維持することに拘ることになるだろう。自分たちの威信を賭け、それがあたかも自分たちの力と信じて、目標達成に挑んでいくはずだ。

貧しさから、飽食へと私たちが辿った道を中国も突き進む。その間に中国の人口はどれほど増えることになるのだろう。元々人口の多い中国が、アメリカの経済を支えるために発展を遂げる。その過程において、人口は間違いなく増える。その増えた人々が一丸となって豊かさを願い懸命に働く。大量のエネルギーを消費し、大量の廃棄物を産み出す。遅くやってきた自分たちにも豊かさをつかむ権利はあると叫びながら、中国は驀進し続けることになる。

日本の食料自給率は20%だと言われている。残りの80%を外国から輸入している日本は、自らの自給率と同量の20%の食物を捨てているという。世界中に飢えで苦しむ人がいるのを尻目に、先進国が食料支援している食料の総量の2倍に当たる食物を捨てているというのだ。私たちが懸命に働いて豊かになった唯一の証として、世界中から食物を買い集めむさぼる。そして、その買い集めたものを大量に捨てている。日本は中国からも野菜を始め多くの食料を輸入しているが、その中国が豊かになり飽食に辿り着く時、世界や日本の食糧事情は一体どうなっていることだろう。中国が世界から食糧を輸入し始めれば、食料の枯渇はすぐ現実のものとなるだろう。アメリカが生みだした市場主義経済は「うすのろまぬけ」がいないと成り立たない経済だ。だが、同時にどこかで常に高成長を遂げる国がないと成り立たない。そのために、「うすのろまぬけ」が徐々に成長を遂げる側に組み込まれていく。そして、成長を遂げる地域で、それに見合っただけの人口が増加する。「うすのろまぬけ」がどんどん減り、人口が止めどなく増え続け、食料が枯渇していく構図がそこに存在しているのだ。

人口が急激に増え、パイの奪い合いを無意識にも意識し始めると、人は動物的な側面を露わにさせ始める。言葉も論理も人間性も脇に追いやられ、剥き出しの欲望が顕在化してくる。私たちの抱える問題はその初期症状と言えるが、もう既に深刻な問題となっている。だが、この期に及んでも私たちが無自覚的であれば、事は後戻りできない地点まで突き進む他あるまい。
私たちは、アメリカ同様他国の成長の尻馬に乗ろうと躍起になっている。低迷する自国経済の活路を中国に求めようとしている。
中国が今のまま成長を遂げれば、人口は爆発的に増え、世界のエネルギーも食料も恒常的に逼迫し続ける。そして、それらの争奪戦が始まるのはそれほど先のことではないことは赤子でも分かることではないか。地球環境的な観点からも悪化は免れないが、人口増加を背景とする争奪戦は戦争そのものに発展するに違いない。それが分かっていながら、何故私たちは中国の尻馬に乗ろうとするのだろう。

否、私たちは何も分かっていないに等しい。肝心なことになると、私たちの物わかりは何故これほどまでに悪くなるのか。それはきっと、その時点では誰もが自分のことしか考えられなくなるからなのだろう。ネズミも微生物も、自分が命を落とすという自覚も意識もないまま死地に赴く。人間も同様なのだ。皆が皆自分の生き残りを考えることが、結果的に全体の墓穴を掘ることにつながってしまう。自分だけは生き残りたいと願う気持ちが、全体を見えなくさせてしまうのだ。そして、そのことが私たちの動物的な衝動を歯止めのないものにしてしまっている。
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