対談を読んで 2
<日本の水道水はよくなりますか 発行所(株)亜紀書房>は、1988年10月1日に第1版第1刷が刊行されています。私は、ちょうどその年に、小島貞男先生にお会いするため(株)日水コンを訪れました。もう24年も前のことなので、詳細な記憶はありません。
ただ、小島先生に箱島湧水の分析表をお見せしたところ「これは、本当においしい水ですね」と言っていただいたことと、私が「この水が村営水道として使われているのですが、その塩素を除いて商品化するという考えはどうなんでしょう?突飛すぎますか?」と質問した時、先生が目を輝かせて「それは画期的な考えだし、とてもいい」と仰ってくださったことを、今でも昨日のことのように覚えています。
結局私たちは、やまめ・イワナを生産するあづま養魚場の敷地内から湧出する「箱島湧水」を源水とし、それを除菌処理したものを商品化する道を選びました。が、水道のすべて知り尽くしながら、水道局の中での改革を断念された小島先生の「おいしい水への探求心」の一端を、「その時」見た思いがしました。
小島先生に続き、北里環境科学センターの奥田舜治先生、上毛電業の鈴木茂穂氏、元東芝の伊能建夫氏らの導きで、弊社は今日を迎えています。先達に共通しているのは、一言で言うと「技術者魂」というものでしょうか?皆さん実質を得るために一歩でも先を目指すという心意気を持ち、その点では妥協を許しません。また、皆さん現場を重視し、生活と仕事とやりたいことが一致しているという点で、日本の社会の中では異端児でもあります。その時取りうるすべての手段を排除しない。その手法は、組織の中におとなしく収まることができないものでしょう。それ故に他の人には見えない俯瞰図のような観点を、私たちに指し示してくれます。
「おいしい水の探求」の抜粋を掲げることを通じて、小島先生が亡くなられたことを知りました。ご冥福をお祈りします。私の抜粋にとどまらず、是非先生の本を手に取りお読み下さい。日本の水道の歴史が明らかになるだけでなく、先生の人となりにじっくりと接することができます。水を扱うことを志す人に、心よりお勧めします。(完)
ただ、小島先生に箱島湧水の分析表をお見せしたところ「これは、本当においしい水ですね」と言っていただいたことと、私が「この水が村営水道として使われているのですが、その塩素を除いて商品化するという考えはどうなんでしょう?突飛すぎますか?」と質問した時、先生が目を輝かせて「それは画期的な考えだし、とてもいい」と仰ってくださったことを、今でも昨日のことのように覚えています。
結局私たちは、やまめ・イワナを生産するあづま養魚場の敷地内から湧出する「箱島湧水」を源水とし、それを除菌処理したものを商品化する道を選びました。が、水道のすべて知り尽くしながら、水道局の中での改革を断念された小島先生の「おいしい水への探求心」の一端を、「その時」見た思いがしました。
小島先生に続き、北里環境科学センターの奥田舜治先生、上毛電業の鈴木茂穂氏、元東芝の伊能建夫氏らの導きで、弊社は今日を迎えています。先達に共通しているのは、一言で言うと「技術者魂」というものでしょうか?皆さん実質を得るために一歩でも先を目指すという心意気を持ち、その点では妥協を許しません。また、皆さん現場を重視し、生活と仕事とやりたいことが一致しているという点で、日本の社会の中では異端児でもあります。その時取りうるすべての手段を排除しない。その手法は、組織の中におとなしく収まることができないものでしょう。それ故に他の人には見えない俯瞰図のような観点を、私たちに指し示してくれます。
「おいしい水の探求」の抜粋を掲げることを通じて、小島先生が亡くなられたことを知りました。ご冥福をお祈りします。私の抜粋にとどまらず、是非先生の本を手に取りお読み下さい。日本の水道の歴史が明らかになるだけでなく、先生の人となりにじっくりと接することができます。水を扱うことを志す人に、心よりお勧めします。(完)