日本の水道の病理
4 日本は酸性の水道水が多い-後アルカリが必要である
中西 水道統計によりますと、ph7以下つまり酸性の水道水が二分の一以上を占めている。これでは水道管は溶けますよね。一方、日本の水道水の基準をみると、ph5.8以上8.6以下となっていますが、これも不思議でしかたがない。外国の基準を見ますと、少なくともph7以上となっています。ph5.8なんて飲料水の基準ではなく、水道管をピカピカにするための基準みたい(笑)。どんな材質を使っても、この酸性ではもたない。
先生は、水道は100年の計とおっしゃっていますが、私の問題意識としては、水道管がもつかどうか以上に、溶かしたものを飲まされるのが気持ちが悪い。「人間の体の100年の計」も考えてほしいと切実に感じます。ところで、どうしてphの基準はこんな値になったんですか。
小島 これは当時の人がいなくなると、永久に謎になってしまうから思い切ってお話しします。phの基準を決めるころ、日本中の水道水の水のph値を集めて調べたわけです。そうしたらph5.8というところがあった。それが、基準違反になるのはかわいそうだという、たいへん日本的な温情主義だったと私はいまも思うのです。すでに飲んでいて差しつかえないのだから、この水が不合格にならないようにここまで落とそうということで、phは5.8を下の方の基準にしたのです。
中西 そういうお話しを聞いていると、基準値というのは水質をよくするためのものだと思うのに、現状にあるから基準値をそれにするというのでは、何のために基準値を決めているのか、わからないと思うんですが。
小島 おいしい水だし、差しつかえないわけだから、鉄管保護を考えなければph5.8でもいい。しかし、水道というのは施設から成り立っているのですから、その施設を損なうような水質というのは、健康だけではなくて施設保護の意味で、良くないことが分かってきたわけです。
抜粋はここまでとします。
(つづく)
中西 水道統計によりますと、ph7以下つまり酸性の水道水が二分の一以上を占めている。これでは水道管は溶けますよね。一方、日本の水道水の基準をみると、ph5.8以上8.6以下となっていますが、これも不思議でしかたがない。外国の基準を見ますと、少なくともph7以上となっています。ph5.8なんて飲料水の基準ではなく、水道管をピカピカにするための基準みたい(笑)。どんな材質を使っても、この酸性ではもたない。
先生は、水道は100年の計とおっしゃっていますが、私の問題意識としては、水道管がもつかどうか以上に、溶かしたものを飲まされるのが気持ちが悪い。「人間の体の100年の計」も考えてほしいと切実に感じます。ところで、どうしてphの基準はこんな値になったんですか。
小島 これは当時の人がいなくなると、永久に謎になってしまうから思い切ってお話しします。phの基準を決めるころ、日本中の水道水の水のph値を集めて調べたわけです。そうしたらph5.8というところがあった。それが、基準違反になるのはかわいそうだという、たいへん日本的な温情主義だったと私はいまも思うのです。すでに飲んでいて差しつかえないのだから、この水が不合格にならないようにここまで落とそうということで、phは5.8を下の方の基準にしたのです。
中西 そういうお話しを聞いていると、基準値というのは水質をよくするためのものだと思うのに、現状にあるから基準値をそれにするというのでは、何のために基準値を決めているのか、わからないと思うんですが。
小島 おいしい水だし、差しつかえないわけだから、鉄管保護を考えなければph5.8でもいい。しかし、水道というのは施設から成り立っているのですから、その施設を損なうような水質というのは、健康だけではなくて施設保護の意味で、良くないことが分かってきたわけです。
抜粋はここまでとします。
(つづく)