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Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

日本の水道の病理

2 鉄管の赤錆問題は激増している-鉄管は溶ける

中西 やはり、鉄管は多いんですか。

小島 多いんですが、鉄管は苦労の連続です。赤錆はだいたい鉄管からきたんですね。特にビルとかマンションで、このごろ、鉄管赤錆の問題が非常に増えてきました。なぜ増えたのかとよくきかれますが、一つに水が悪くなったせいです。浄水場で汚れた原水を処理するために、薬品をたくさん使いますから水道水の腐食性が増しています。ただ、もう一つ考えられるのは、道路から各家庭の蛇口までの管の距離が延びたことでしょうね。昔は、たかだか5メートルか10メートルですから、朝ちょっと流せばすぐ直ってしまうわけです。ところが、ビルやマンションの給水管はすごい長い距離ですから、半日ぐらい流しても赤い水は直らないわけです。

赤水がどうしてできるか、一番大きい要因は接触時間ですね。もう一つは温度です。夏に赤水がでた家でも、冬になると出なくなるのはこのせいです。三番目が水質です。日本のように軟水を原水として、いまのような水質の水を給水していたら、鉄管は必ず赤水を出します。これを防ごうとしたら、水質を変えるか水道管を変えるかのほかありません。

もちろん昔から、いろいろな防食の工夫はしてきました。たとえば、鉄管の錆を防ぐために亜鉛引き鋼管を使ったりしました。ところが、日本の水はだいたい3年間で亜鉛を溶かしてしまいます。だから、その間は多量の亜鉛を含んだ水が出ているわけです。朝一番の水道水は、5ppmぐらい含んでいることも珍しくありません。(水道水基準は1ppm以下。現在も同じ)

中西 下水処理場の汚泥の中で、亜鉛の濃度が非常に高くなります。工場排水もなく、家庭下水しか入らない団地の処理場などでも、汚泥中の亜鉛濃度が1000ppmくらいになってしまう。原因を調べてみたら水道水です。水道管から溶け出したものなんですね。

小島 亜鉛のイオン化傾向は鉄よりも大きいので、亜鉛が出ている間は鉄は溶けません。その間は赤水は出ないのです。そのかわり白い水が出ます。白い水が出たと電話がかかってきた時には、コップにくんでおいて下から水が澄んでくるようならいいが、澄まなかったら持ってきてくださいと答えます。持ってこられた白い水を見ると、みんな亜鉛です。ですから亜鉛は、ずいぶん日本の水道水には溶けています。

(つづく)


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