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Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

日本の水道の病理

急速ろ過法

急速ろ過法はアメリカで開発されたもので別名をアメリカ式ともいい、また緩速ろ過法が天然の浄化力を利用するのに対し、薬品の力を用いて機械的にろ過するもので機械ろ過と呼ぶこともある。(中略)わが国では明治41(1908)年京都市ではじめて採用され、その後2~3の大都市でも補助的に用いられたが近年まで普及しなかった。ところが第二次大戦を境として、戦後は規模の大小を問わず競って急速ろ過法を採用するようになり、最近ではあたかも急速ろ過法万能の観がある。これは急速ろ過法の特徴が時代の要求にマッチしたためではあるが、また一方では塩素消毒によって衛生的安全性が保証できるようになり、ろ過の役割が軽視されるようになったことや流行好みの国民性などもその原因に数えられるであろう。

急速ろ過法の浄化力は、緩速ろ過法のところでも述べたように、緩速ろ過法に比べればかなり劣る。たしかに濁りや色はよく除くことができるが、細菌に対しては除去が十分でなく、したがって衛生的安全性に関して塩素消毒が頼りである。(中略)また急速ろ過法ではアンモニア、マンガン、臭気、ABS(LAS)などはまったく除去できないし、溶存有機物の除去能力も緩速ろ過法に比べるとかなり劣る。したがっておいしい水道水を作るという点から見ると、急速ろ過法は緩速ろ過法と比べて劣っていることはいうまでもない。(中略)
一方、急速ろ過法はプランクトン、藻類や小動物を除去する力が弱い。ことにプランクトンの除去率は不十分で、薬品沈殿池で90%、ろ過池で残りの50%、合計95%が除かれるにすぎない。したがって原水中のプランクトンの5%は水道中に入ってしまう。

(つづく)



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