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Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

日本の水道の病理

清純な上流の川も流れ下るにしたがって生活排水、家畜排水、農地排水や工業排水などが次々に加わって次第に汚されてくる。もっとも河川は流下する際に自然の浄化作用が働いて、次第に水をきれいにする力をもっているが、実際には汚濁が浄化力を上回るので下流ほど汚れているのが一般的である。したがって流域に大勢の人が住む都市や工業地帯を持つ河川ほど汚れがひどい。
たとえば東京都の水道の水源である多摩川は、日本の経済発展とともに最も早く、最も急激に汚濁が進んだ河川である。この様子は主として人間の排泄物(し尿)からくるアンモニア性窒素(以下アンモニア)や大腸菌群数の経年変化を見るとはっきりわかる。
すなわちアンモニアを見ると、昭和21~22年ごろまでは0.005mg/l前後で0が小数点以下二つもついていた。当時、渡船場の船頭さんは川の水をそのまま飲んでいたし、夏になると大勢の人たちが水浴を楽しんでいた。
それが10年後の31~33年ごろになると一桁上がって0.05mg/lとなり、以後急進して、38~39年には5.0mg/lにも達し、31年ごろの100倍にも増加している。つまり、戦後10年間では約10倍、その後の10年間では100倍、合計実に1000倍も汚れてしまったというわけである。その結果、100年も前から汚濁でさわがれていたヨーロッパのテムズ川やライン川の汚濁をわずか20年間で追い越してしまったのである。

(つづく)


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