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Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

抜粋 その7 

NHKブックス487 「おいしい水の探求」小島貞男著 日本放送出版協会

緩速ろ過法の2

緩速ろ過法はまったく薬を使わず、ただ砂でゆっくりこすだけなのに、その浄化力は大変強い。たとえば濁りや病原菌をほぼ完全に除去できるばかりでなく、鉄、マンガン、アンモニアなども完全に取り除くことができるし、合成洗剤の主成分であるLASも、それから藻類や小動物の類もほとんど全部除くことができる。それにもっとありがたいことは水の味を台なしにする臭気、ことにカビ臭までも完全に取ってくれることである。(中略)

緩速ろ過法で浄化しているのは、砂ではなくて、砂層の表面や砂粒の表面にできた粘り気のあるぬるぬるした膜なのである。それではこのぬるぬるした膜は何でできているかというと、砂層表面のろ過膜はバクテリアや藻類、カビ類などといった顕微鏡的微生物からできている。また砂層中の砂についているぬるぬるした膜はほとんど全部がバクテリア、カビなどの微生物からできている。このような膜ができた砂層で川の水や湖の水をこすと、まずごみや大型の浮遊物は表面の膜でほとんどこし取られる。しかし、小さな粒子になると砂層表面のろ過膜では除去できず、砂層中に入って砂の粒に付着してそこで取り除かれる。一方、アンモニアはこれを酸化して硝酸にしてしまう菌が砂の層の中に増殖し、この働きによって亜硝酸を経て硝酸に変わる。それからマンガン、鉄も酸化して全部砂の中に抑留されてしまう。合成洗剤のLASも、これを分解する菌が出てきてほとんど全部を分解・除去してくれる。におい物質に対しても同じで、これを分解する微生物が砂層の中に発生してきてこれが臭気を取っておいしい水にしてくれる。
このように緩速ろ過法では別に薬をいれないので、浄化した水に薬からくる成分は少しも増えていない。そこで自然の持ち味を保ったまま浄化されるのでおいしい水ができるわけである。(つづく)
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