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抜粋 その4

NHKブックス487 「おいしい水の探求」小島貞男著 日本放送出版協会

清純な上流の川も流れ下るにしたがって生活排水、家畜排水、農地排水や工業排水などが次々に加わって次第に汚されてくる。もっとも河川は流下する際に自然の浄化作用が働いて、次第に水をきれいにする力をもっているが、実際には汚濁が浄化力を上回るので下流ほど汚れているのが一般的である。したがって流域に大勢の人が住む都市や工業地帯を持つ河川ほど汚れがひどい。
たとえば東京都の水道の水源である多摩川は、日本の経済発展とともに最も早く、最も急激に汚濁が進んだ河川である。この様子は主として人間の排泄物(し尿)からくるアンモニア性窒素(以下アンモニア)や大腸菌群数の経年変化を見るとはっきりわかる。
すなわちアンモニアを見ると、昭和二一~二二年ごろまでは0.00五mg/l前後で0が小数点以下二つもついていた。当時、渡船場の船頭さんは川の水をそのまま飲んでいたし、夏になると大勢の人たちが水浴を楽しんでいた。
それが一〇年後の三一~三二年ごろになると一桁上がって0.05mg/lとなり、以後急進して、三八~三九年には五.0mg/lにも達し、三一年ごろの一〇〇倍にも増加している。つまり、戦後一〇年間では約一〇倍、その後の一〇年間では一〇〇倍、合計実に一〇〇〇倍も汚れてしまったというわけである。その結果、一〇〇年も前から汚濁でさわがれていたヨーロッパのテムズ川やライン川の汚濁をわずか二〇年間で追い越してしまったのである。(つづく)

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水は、あらゆる生命の細胞をくぐり抜けることで生き物たちを束ねながら、地球と成層圏を舞台に、輪廻転生をくり返しています。
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