もう一つの道
世界を動かしているのが、超大国であれば、まだましです。世界を支配するのが国家ならば、それがいかに大国であれ、そこには金持ちだけでなく貧乏人も多く居るからです。国の行政組織は、貧富の差の如何に関わらず、行政サービスをしなければなりませんから、そこにまともなバランス感覚が生じます。バランス感覚だけではなく、近代の自由主義国家は、それが表面的なものであれ、ヒューマニズムを信条としています。しかし、世界を実質的に支配するのが、「死の商人」たちだとすると、話は違います。彼等は、バランス感覚もヒューマニズムも持ち合わせていません。彼等は儲けるために、「混乱」を好んで利用します。そして、彼等が得意とする金融の「さじ加減」を間違えても、各国が財政出動をして助けてくれることも実証済みです。財政出動で各国から市場に供給された「マネー」は、今までにも増して彼等の大好きな「金余り」状態を作り出してくれました。だからこそ、彼等には経済危機を起こした反省など無用で、「危険な冒険主義」もとどまることを知らないのです。
(つづく)
(つづく)