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未来への投資


⚫資本主義が終わる

私の言うことが人々に伝わらないのは、私が繰り返しこの「資本主義が終わる」ということを念仏のように唱えて来たからに他ならない。人はある日突然の如く、「それまでの体制が崩れ去る」のを、「(眼の前で)見たことがない」。だから、「資本主義が終わる」という話は唐突すぎて、誰もそれを現実に起きることとはイメージできない。が、資本主義の「腹違いの兄弟」だった「共産主義」は既に地球上から姿を消した。多くの人は、もう「共産主義」がどんなものだったか覚えていない。とは言え、姿を消したものは「共産主義を騙った独裁政治」に過ぎない。その意味では「民主主義を騙った資本主義独裁政治」もまた風前の灯火だ。本来、「民主主義」という考え方には、今のように極端な「貧富の差や格差」を受容する余地はない。が、人は目の前で起こっていることであっても、テレビ等のマスメディアで解説されないと、どう解釈していいのか分からない。そういう教育を受けてきた。相容れない事象であっても、メディアがそれを指摘し続ける役割を果たさなければ、誰もそれを問題視しない。つまり、社会現象をわたくし事と捉える回路を、私たちは持ち合わせていないのだ。自然災害にしても、自分の身に起こらないかぎり他人事だ。
私達は、「相当鈍くなっている」。お蔭で、「地球は灼熱地獄と化す」と科学者が言い出しても、ピンと来ない。相も変わらず、他人事だ。科学者の警告は今に始まったことではない!1990年以降、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC」は、気候変動の証拠を集め、5本に及ぶ包括的評価レポートを作成してきた。が、最新のレポートについては、2つの点で「伝わり方が変わってきた」。一つは、実際に気候変動による風水害が世界中で猛威を奮っている事実だ。もう一つは、スエーデンの16歳のグレタ・トゥンベリさんの登場だ。彼女の訴えには、大人たちの様に「利害や盲信による曇り」がない!それが、同世代の多感な子どもたちの心を揺さぶり、一つの明確な「メッセージ」を発信し始めた。
この二つが、今後「資本主義の存否」を厳しく問うて行くこととなる。「今後の10年以内に、CO2の排出量を0にして行かないと、10年後には地球の平均気温は産業革命時より1.5℃上昇する。その1.5℃(=臨界点)を超すと、人の力では気温上昇を抑え込めなくなり、気温の上昇は止めどないものとなってしまう。」とIPCCは最新のレポートで報告をしている。(氷床や氷河が、猛烈な勢いで溶けている。それが、地球の冷却装置である海洋の働きを阻害し始めている。深層海流の働きで北極海の冷水が太平洋の深海に運ばれ、高い海水温を中和させてきた。その働きが鈍ってきたお陰で、太平洋の海面近くに表層が形成され、深海とは混ざりにくくなってしまっている。それが故に、台風を生む海水温は上昇の一途を辿っている。)1990年以降のそうしたレポートを私達は知らされなかったわけではない。だが、「高をくくって無視して来た」「自分たちに直接関わる話だとは思わないで来た」。「そんな警告よりも、今の快適な生活を手放したくない」。「そんな盲信を信じて、今の経済成長を阻害するようなことはすべきでない」と多くの人たちは、おバカな独裁者トランプと発想を共にして来た。

だが、お蔭で、事態は科学者が予測したよりも早く悪化することとなった。日本を脅かす「台風」の猛威は、その一つの現れだ。その勢いは年を追って増していくが、このまま放置をして収まってくれるものではない。だから、この悪夢のような気候変動は、私達が「悔い改める」までは続いてしまう。
16歳の少女の訴えも、同世代の子供たちやその親たちを巻き込みながら、「経済成長よりも、持続的社会を」というメッセージを人々に発信し続けて行くこととなる。私は、今年のノーベル平和賞は彼女が受賞すると考えている。ノーベル賞の生みの親のノーベルは「ダイナマイトの生みの親」だ。産業革命当時に、鉄道の敷設や鉱山等の採掘にダイナマイトは威力を発揮した。が、それが戦争にも使われるようになり、ノーベルは「死の商人」扱いを受けることとなる。ノーベルはその口惜しさから、人類の発展に寄与する発明をした科学者や平和に貢献した人に、私財を運用して功績を称えるノーベル財団を創設したとされている。持続的社会を押しのけて、ひたすら拡大を目指す資本主義は文字通り「死の商人」以外の何者でもない。そうした流れに対抗しうるのは、欧州の見識しかない。その見識が、自然の猛威と子供たちの叫びを通じて、世界中に広がって行くこととなる。

(つづく)

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Author:窓男
水は、あらゆる生命の細胞をくぐり抜けることで生き物たちを束ねながら、地球と成層圏を舞台に、輪廻転生をくり返しています。
私たちは、その再生を果たしたばかりの「天然水」をお届けする、「天然水道」網の構築を目指しています。

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