私の考える「水道の民営化」
2.時代の要請
a. 自然災害の大型化
地球温暖化の影響に因るが、海水温の上昇により台風や竜巻が人間の住む地帯で頻発するようになってきた。世界中で河川が氾濫を起こし、被災者の多くは自宅を失うような大規模災害に見舞われるようになってきた。河川の氾濫は、私たちが子供の頃にはよくあったが、日本では河川の改修工事が進んだせいでめっきり減った。それがまた頻発するようになってきたのは、風水害の大型化が主因だ。その大型化が今までの「想定」を超えてしまっている以上、私たちは新たな対策を用意していかねばならない。比較的に風水害の少ない本県は、被災地に安定的に飲料水を送り出す基地としての役割を担うことができる。
b. 巨大地震のリスク
南海トラフや首都直下での巨大地震のリスクが高まってきている。フィリピンや太平洋プレートが日本の下に沈み込むことで、日本列島にストレスが溜り、それが巨大地震により開放される。その繰り返しが、地球の営みとして有史以前から続いている。その巨大地震は、予測はできたとしても人の力では止めようがない。太平洋側に偏った日本の主要都市が、その地震のリスクに晒されている。巨大地震が起これば、日本の工業地帯は壊滅的なダメージを受ける。その点で、プレート型の巨大地震の影響から離れた立地の本県は、「天然水」だけに限らず、容器やキャップ等も含めた製造拠点を併せ持つことで、緊急時対応を担うことができる。
c. オリンピックの開催
2020年のオリンピック開催が東京に決定した。大きなビジネスチャンスが拓けることとはなったが、巨大地震のリスクの高い地に世界一の過密都市があるという状況に変わりはない。オリンピックを契機に「地震や災害に強い都市を創り出す」という発想を私たちは持てるか?と言えば、7年間では短過ぎる。災害時の飲用水の確保は十分か?という問いに対しても、今の時点では「不十分なまま」という答えしか出せない。福島原発の汚染水漏れが今後どういう経緯を経ていくか分からないが、外国人観光客用という観点からも、サーバーと大型容器のミネラルウォーター需要は高まっていくことは間違いない。
(つづく)