サントリーウォーターレポート
サントリーのウォーターレポートを読んだ。
「2016年は、国産ミネラルウォーターの生産量が増加。同時に一人当たりの消費量も過去最高となり、10年前(2006年)と比べ1.5倍となった。2017年は小容量ペットボトルの利用が活発になっている。」
「小容量のミネラルウォーターが買い置きされる理由は、●災害時に使い易い ●価格がリーズナブルだから が2013年の調査と比べ、共に10ポイント以上増えている。」
調査期間は本年の6月2日〜6月4日で、調査対象者数は500人(男性253人、女性247人)で、方法はインターネット調査で、前年同時期の調査結果と比べている。
目についた変化は、
●「宅配サービスのミネラルウォーター」が前年の7.8ポイントから1.2ポイント減らし、6.6ポイントへ減少。
●「自宅の浄水器」が前年の37ポイントから8.6ポイント上昇し、45.6ポイントへ増加。
●「スーパー店頭でセルフサービスで詰める水」が前年の17.4ポイントから1ポイント増やし、18.4ポイントへ増加。
注目しなければならないことは、「浄水器」の利用が1年で8.6ポイントも上昇していることで、「宅配サービス」を利用している人は元々その上昇分にも満たない7.8ポイントに過ぎなかった。それにもかかわらず、この一年で1.2ポイントも減少している。実質的に言えば、15.4%もの人が宅配サービスを止めた計算になる。その人たちは、「浄水器」や「スーパー店頭でセルフサービスで詰める水」や「小容量のペットボトル」等々へ鞍替えをしたこととなる。
こうした変化は、端的に言えば、消費者が「小容量のペットボトル」の購買動機を「価格がリーズナブル」としていることの「裏返し」だ。この間に「大容量の宅配水は価格がリーズナブルではない」という評価が完全に定着してしまった。2000年を境に、小容量のミネラルウォーターはサントリーを最後に値下げに転じた。一方2000年に旗揚げした「宅配水サービス」は、徐々に形態を変えながらも、値を上げることしかしないで来た。長引くデフレ経済下で、それを無視し続ける我が業界が、消費者の「愛想つかし」を喰らうのは当然と言う他はない。だからこそ、見えないところで浄水器の再ブームが始まった。また、スーパー店頭の無料水へも一部の人がシフトした。
そして、この流れは、宅配クライスとその再構築(宅配運賃の適正化)の中で、秋以降、本格化するのは必至だ。大容量の宅配水が、「その存否」を含めて問われていることを認識しなければならない。
(終)