宣伝とプロパガンダ
宣伝広告というのは、面白い。「そこには、お金をかけないとならない」という思い込みをしている人が、大勢居る。彼らは「露出さえすれば、勝ちだ」と思い込んでいる。だが、本当は「そうではない!」商売にかぎって言えば、コストパフォーマンスを無視した宣伝広告は、危険この上ない。インフレで黙っていても商品が売れて行くご時世なら、いくら広告費にお金をかけても「元は取れる」。が、デフレでモノが動かない時期にまで、同じようにカネをかければ、商売は容易く「傾く」。一方、「ただ(無料)で露出を稼ぐ術を知っている者」にとっては、「露出さえすれば、勝ちだ」という言葉は「真理」を突いている。
今をときめく「トランプ」は、ビジネスに於いて「そのワザ」を磨いてきた。そして、「派手な暴言」や「テレビ番組の司会者や時にプロレスラーになってまで稼いできた露出」を駆使し、彼はアメリカの大統領にまで登り詰めてしまった。この現実は、私たちの「頭の構造の幼稚さ」を示して余りある。
以下にヒトラーの代表的な名言を記す。トランプが、如何に忠実にヒトラーを模しているかが分かるだろう。そして、トランプがメディアを敵に回すのも、ツイッターや大統領令を連発するのも、彼の確信犯的な「戦略」に基いていることが理解できるだろう。
●嘘を大声で、充分に時間を費やして語れば、人はそれを信じるようになる
●民衆がものを考えないということは、支配者にとって実に幸運なことだ
●熱狂した大衆だけが操縦可能である
●賢い勝利者は、可能な限り、自分の要求を幾度も分割して敗北者に課すだろう
●人種の堕落の時代において、自国の最善の人種的要素の保護に専心した国家は、いつしか地上の支配者となるに違いない
恐ろしいほどの「思い込み」が、ヒトラーの言葉には込められている。だが、その言葉を大声で繰り返すことで、「人はそれを信じる」に至った。これは仮説ではなく、「歴史が証明してしまった真実」だ。私たちは、その「デジャヴ」を「テレビ」を通じた実況中継で、否応もなく見せつけられている。このグローバルに展開される「宣伝=プロパガンダ」は、一体いつまで続くのか?そして、「人類の叡智」は、このトランプによるヒトラーの「二番煎じ」に対し、どういう「意志を表明し得るのか?」それを、私たちは「目の当たりにする」こととなる。