Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

水事業(エクスパンドボトル)の可能性


「エクスパンドボトルの可能性」という題名で久々にブログを書く。7リットルのエクスパンドボトルに詰められた富士山の天然水と出会ったからだ。そして、硬直化した水事業にこのボトルが起こすであろう様々な可能性を感じているからだ。

そして、そのことを親しい周りの水事業者に伝えても、「ピン!」と来る人が居ないからだ。

今、私たちの「大型容器の水宅配業」で唯一「気を吐いている」ように見えるのが、このエクスパンドボトルを使った「新種」のビジネスだ。目先を変え、膨大な資金をサーバーと宣伝に費やし、あたかも「売れている」ように見せかけ、「水は儲かる」と信ずる人たちを引き寄せている。だが、実際には「売れている」とは言い難い。騙された販売代理店が確かに「無料」で設置したサーバーの数だけは多いが、そのサーバー1台が稼ぎ出してくれる「水の販売本数」は1軒に付き「たったの2本」だ。だから、如何にその水を高く売りつけても、商売にはならない。だから、この商売を仕掛け、牽引してきたかのように見えたC社は、早晩事業をオリックスに売払った。

C社は、販売代理店・オリックスの双方からお金を騙し取ったと言っても良い。公称で30万台あるとされたサーバー設置台数は、0EM分を含んでいる。また、時折チラつかせていた100万台という数字は、延べにして扱ったサーバー台数で、それだけサーバーを「取っ替え引っ替え」投入し、無駄にしたサーバーの数が空恐ろしい数に達していることを物語っている。

販売代理店が、自腹を切ってサーバーを設置したお相手の多くは、知り合いや取引業者だ。どのくらいの割合かは、それぞれなので分からない。だが、「サーバーを設置しさえすれば、それで月々一定額が安定的に入ってくる。こんな確実な商売はない。」と騙された販売代理店も、実際に売り始めると、サーバーをただにしても買ってくれる人が居ないことに初めて気付く。「サーバーをただで貸すというのに、これほど消費者は反応を示さないものなのか?」と逆に驚くこととなる。そこで、慌てて知り合いや取引業者に頭を下げて、「水を買っていただく」こととなる。この図式は、ポリカーボネートボトルの時から全くと言って良い程変わりがない。だから、販売代理店の思惑がどうであれ、獲得できる顧客数は一定以上には増えない。「頼める人の数には限りがある」のと、「数を増やしても儲けられるわけではない」ことを「身を持って知る」ことになってしまうからだ。

こうした「商法」は、一般消費者にはまったく通じていない。だから、売る側は手を変え品を変え(販売方法やサーバーやボトルを変え)、繰り返し繰り返し、騙される販売代理店を募る。ただ、反応してくれるのは、「サーバーが便利だし、カッコいいから、水2本取るだけでサーバーをただで貸してくれるなら、まあいいか。」という人たちだけだ。あとの人たちは、この商売にもう見向きもしてくれない。

なぜ?見向きもしてくれないか?と言えば、答えはあまりにも簡単だ。「サーバーをただで貸してくれる特典を得るためとは言え、なんでそんなバカみたいに高い水を買わなければならないのか?」普通の人々にはまったく合点が行かない。「本当にミネラルウォーター(天然水)が飲みたいのなら、他に選択肢はいくらでもあるのに、馬鹿みたい。」とまともにとり合う人は居ない。

だが、それが「日本の特殊事情」だということを知っている人は少ない。諸外国では、大型容器の宅配水は、手に入るミネラルウォーター(天然水)の中では「一番安い」。だからこそ、圧倒的大多数の人々に支持され、アメリカでは8〜9割の人々が「水道水の代わり」として、飲んでいる。それだけ、大多数の人が飲むようになると、地域に1つや2つの水屋さんではまったく足りない。供給側も需要に見合っただけの数が必要となる。そのことで、アメリカに於ける「水道の民営化」は一気に進んだ。河川を主な水源とする水道水は、源水の汚濁や水道施設や水道菅の老朽化や劣化によって、健康被害が懸念されるようになった。また、施設の維持や更新にかける膨大な費用をどう捻出するか?先進各国と言えども、皆財政赤字を抱え、公共水道に使える税金も底をついてしまっているのが実状だ。それを、アメリカは「うまく切り抜けた」。その方策が、ガロンボトルによる宅配事業=水道の民営化だった。

一方、日本もアメリカのビジネスモデルを導入してきたはずだったが、「なにをとち狂ったのか?」「クローズドマーケット」として、この水事業をスタートさせた。「形」だけは真似たが、「中身」はまったく違ったものだった。これを推進したアクアクララジャパンの「罪」はとてつもなく大きい。そして、「天然水」に恵まれた日本に於ける水ビジネスの迷走は、これ以上ない「土壷」にはまり、最早「迷宮入り」の瀬戸際まで達している。

そこに登場してきたのが、この「エキスパンドボトル」だ。このボトルの持つ利点を挙げる。

①ペット材質でありながら、キャップ以外にはシールが貼られることもなく、リサイクル性に富んでいる。

②リッター当たりに換算すると単価が安いために、2リットル以下の市販のミネラルウォーターと比較しても、製造コストを低く抑えられる。つまり、理論上は「安く売る」ことが可能で、その分市販のミネラルウォーターとの「競合」にも耐え得る商品だ。

③少量生産でも大量生産と原価コストに大きな開きが生じないため、コンパクトな製造設備でも変わらぬ利幅が得られる。一人でも、製造が可能なため、小規模の方が却って効率の良い経営が確立できる。

④1way商品のため、自社配送部門を持つことなく、配送を運送会社に託しても製造直販体制を組むことができる。つまり、一人でも始められる商売だ。

⑤「エキスパンドボトル」のほとんどが「天然水」を詰めている。それは、消費者が求める「水」の条件をようやく大型容器の宅配業者が理解し始めたことを反映している。そして、日本の宅配網の完備とその効率の良さを有効に使うならば、地方の水の良い地で精密ろ過した名水が一番コストを圧縮できる。

⑥7リットルのボトルであれば、サーバーも給水器等のツールも、必要としない。料理水としてお使いいただくのであれば、2リットルボトルよりも使い勝手は良い。ならば、ごく普通に考えて、「これなら、心置きなく使える」と思っていただける値付けをすれば良いだけだ。今まで述べてきたように、イニシャルコストもランニングコストも最小化できる。ならば、実際に利用者に必要と感じていただける価格に合わせることは、他のどのミネラルウォーターよりもできるはずではないか!

⑦アクアクララジャパンが机上で練り上げた「クローズドマーケット」は、その通り、狭い狭い「閉塞感」に満ちた市場を現実のものとした。残念ながら、既にこの業界に参入している人々に上記のことを伝えても、頭に「こびりついた」(アクアクララ)ジャパンウェイは払拭できない。そして、そのことは「二進も三進も行かなくなった」業者さんの「投げやりな商売」を通して、この「業界」の評判を著しく貶める「悪循環」に辿り着いてしまっている。

⑧そのお陰で、この「クローズドマーケット」には、誰も近寄ろうとはしない。解約時に「嫌な思い」をした人も多く、まるで「ブラックホール」の様に「近づくと飲み込まれる」からと距離を置かれる存在だ。その実状は、ネット通販上での検索結果を見ても一目瞭然だ。巨額の資金を投じている企業でも、ネット通販で並び立つと、どれほど売れていないかが手に取るほど分かってしまう。業界全体が完全に空回りを始めている。中に居る人たちは、どこから手をつけて良いのか?分からないで「思考停止」をしたまま、ただただ「漂っている」といるという表現が似つかわしい。

⑨最早この業界は、抜本的な「刷新」を必要としている。真っ更な頭で、優れたコスト感覚を持ち、より堅実な「水商売」を志す新たな「人」を必要としている。その人たち用に、7リットルエクスパンドボトル用プラントを用意している。天然水の精密ろ過設備・ボトルのオゾンリンサー・充填機・打栓機と「ノウハウ」を一式としたプラントを500万円台で提供することを考えている。

⑩この商売は、アクアクララジャパンが構想した通りの「クローズドマーケット」として現在に至っている。それを、一般消費者をターゲットとした「オープン」なものに押し戻さねばならない。もっと言えば、行き詰まってしまっている公共水道に代わり、日本の唯一と言っても過言ではない天然資源(=天然水)を供給する天然水道網構築へと舵を切らなければいけない。なぜなら、天然水の宝庫である日本では、「人工水」や「汚染水」を配給する必要性など一切ないからだ。私たちは、「最高級」の「再生可能エネルギー」を有している。それを人々の生活に活かさない理由はない。それをなぜ?わざわざ「クローズド」にする必要があるのか?それが、この業界の「不健全性」を決定的に印象づけてしまっている。

⑪だが、この業界に一度でも関わった人の頭は、「儲かる」=「クローズド」という一辺倒から離れることができない。それを「オープン」なものに転換するという発想は、今この業界に居る人には「至難」のこと(のよう)だ。
UターンやIターンや田舎に移住する人たちでも良い。私自身がそうだったので、分かり易いお話ができると思う。小規模に、だが、確実性のある、天然水の製造直販を起業する。利用者にこれなら買いたいと思っていただける「適正価格」を打ち出し、それを消費者に周知できれば需要に事欠くことはない。「クローズドからオープンへ」は、「草の根」的現象を生み出さねば、変えようがない。だから、農業や林業の担い手が日本の唯一の天然資源を有効に使う製造業の一つとして、取り組むのも良い。エクスパンドボトルを使えば、そんな商売を展開することができる。その商売の可能性を、新たな起業家に、飾らず、直接伝えて行きたいと考えている。

(完)


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