Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

<おまけ>ウォーターサーバーレンタル事業


実は、サーバーのメンテナンスは自分でもできます。ノンスピルガードを外し、冷水タンク内を清潔に保てば良いだけの話だからです。一方、「加湿器」と呼ばれる電器製品があります。メンテナンスはフィルターの定期的な交換を含め、購入者がしなければならないとされています。その上、フィルターが目詰りすると、機械は自動的に止まるようにセットされています。そのため、加湿器はフィルターの掃除をした上でリセットしなければ使い続けることができません。使う水は「水道水」と指定され、「天然水」は不可とされています。そして、フィルターの役目は、雑菌を撒き散らさないためとされています。水道水から塩素が消え、加湿する水に雑菌が繁殖した場合に確かに菌を撒き散らすこととなるでしょう。しかし、加湿器のタンクの量を一日で使い尽くす量に設定すれば、問題になるとは思えません。とは言え、自分たちの製品が何かの問題を起こす要素を未然に防ぎ、同時にフィルターも売れるなら、消費者の清潔意識を喚起すること自体が「商売」となります。この喩えは、「面倒なお手入れでも周知の仕方次第では購入者にしてもらうことができる」という事実を示しています。

サーバーのメンテナンスは、加湿器と比べればもっと単純で、簡単です。冷水タンクを食器を洗うような感覚できれいに保っていただければ、良いからです。使用する水は「天然水・蒸留水・RO水等」と指定され、「水道水」は不可とされています。サーバーのメンテナンスは、水業者に委ねると、多くて1年に1度の頻度で行われます。業者によっては、出張メンテナンスを承っているところがありますが、そのメンテナンスにかける時間は20分とされています。その時間内で、業者は冷水タンクの洗浄と必要に応じて蛇口を交換します。蛇口は洗浄だけで済ませる場合もあります。多くて年に1度行われるメンテナンスの実態は、実はそれだけのことです。

一方、メンテナンス工場に運んで行われるメンテナンスは、もっと時間をかけます。但し、やはり内容的には冷水タンクの洗浄がメインです。時間がかかるのは、サーバーの側面や裏面やコンプレッサー回り等の内部まで丁寧に綺麗にするからです。それは、喩えてみれば冷蔵庫の側面や裏面や裏側内部をキレイにするのと同様で、不必要とまでは言いませんが、普通ならやらないことをやっているだけの話です。購入した冷蔵庫では行わないことをウォーターサーバーにだけ施す理由は、それがレンタル商品であることとメンテナンスは素人さんではできないことを印象付けるためとしか考えようがありません。3,500円とされるサーバーメンテナンス料金は、この余分なことに費やさざるを得ない時間を織り込んだものです。つまりは、自分たちが作り出したルールが、自分たちの保有するサーバーに余分な経費を課しているというのが実態なのです。この皮肉は、RO各社が「常識化」しました。そして、その「常識」が、「サーバー料無料」と競合せざるを得なくなった独立系の水業者のみならず、当の傘下の代理店をも苦しめているのです。

自分でお手入れをする場合も、頻度は年1回で十分です。しかし、自分でお手入れをすることが前提ならば、その頻度は自分のペースでできます。使用する水も「購入した水」である必要はなくなります。その代わりと言ってはなんですが?ご自分で冷水タンクの状態をモニターすることは必要となります。しかし、それはウォーターサーバーという家電を使用する際の安心材料となりますし、利用者が扱い方を体得していくことにもつながります。いずれにせよ、頻度という点でも、作業性という面からも、サーバーのメンテナンスは加湿器とは比べ物にならないほど容易です。

サーバーと加湿器のちがいには、売り出された時期と売り出した業界の思惑のちがいが「反映」しています。加湿器は電気製品が売れなくなった以降に、人々の健康意識をくすぐるようにして売り出された商品です。それに引き換え、サーバーはバブルがまさに弾けようとしている時期に、「水とセット」で市場に登場しました。そして、なぜか?国産化されることもなく、今でも輸入品だけという稀有な家電であり続けています。そのため、サーバーはレンタルが中心で、メンテナンスは水業者がするのが当然とされ今日に至っているのです。

最初に、「こんがらがってしまった時点を出発点とせねばならないのであれば、水とサーバーを一旦分けて、餅屋は餅屋に任せるという立場を踊り場として設けることが不可欠」と述べました。私たちの住む「情報化社会」は、多くの「常識」を日夜作り出しています。マスメディアの発信する「情報量」によって、どれほど「不合理な常識」であれ「常識」とさせることができます。サーバーの「非常識」は、代理店から巻き上げた加盟費によって補完され、「常識化」されてきました。しかし、お金で買われた「(不合理な)常識」は、すでに経済の持つ合理性との不一致を露わにし始めています。

「こんがらがってしまった時点を出発点とする」。それが今できるのは、サーバー輸入会社ないしはサーバーメンテナンス会社をおいて他にはありません。輸入品しかないウォーターサーバーは、実はサーバー輸入会社を通じて「日本化」されてきました。遅々とした歩みであることも事実ですが、日本側からの「品質向上要求」を韓国メーカーが製品に反映させてきました。その上で、サーバー輸入会社は、サーバーメンテナンス力も同時につけてきました。それが、日本に於けるサーバー市場を形成するために不可避だったからです。

後は「もう一歩」を踏み出すだけです。サーバーメンテナンス力を活かして、それを安定的な「収益」に結びつける。その事業は、扱うのは輸入品ですが、「10年は使える白物家電」としての地位を、「国内技術を施す」ことでサーバーに賦与します。それは、より一層の「品質向上」を海外メーカーに求めて行く「(原動)力」となるでしょう。今や国産品ですら、安い労働力を求め海外に拠点を移すことが当たり前となりました。その現状を立脚点とするしかないのであれば、国産品を作ろうとしない商品に関しては、何らかの方策で日本人の求める精度を商品に織り込んで行くしかありません。メンテナンスという技術を通して、「輸入サーバーに日本標準を纏わせる」。私は、それが現時点で考えられるウォーターサーバーと付き合う「最も現実的な手段」であると信じるに至っています。

(おしまい)


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