藤田紘一郎著 「体をつくる水、壊す水」
ところが、水道水に含有される塩素は、この腸内フローラを荒らしてしまいます。塩素は水に入るとさまざまな化学変化の結果酸素を放出します。このとき放出される酸素は酸化力が強く、殺菌作用を発揮します。水道水の酸化力とは、大腸菌の棲息を一つも許さないほど強いものです。
日本人は「ウンコに混ざっている大腸菌はキタナイ!」と忌み嫌いますが、大腸菌も私たちの腸内に棲む、腸内フローラを形成する大事な一員です。腸に入り込んだ有害な病原菌の排除や、植物繊維の分解、ビタミン類の合成、大便の形成など、大腸菌は重大な働きを担ってくれていることを、私たち日本人は知らなければいけません。
(つづく)