Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

膨らみ続けるものは、必ずはじける


アメリカ人は、貯蓄をしない。その代わりに老後に備えて、株式に投資する。それが、適度なインフレの進行につられるようにして、値を上げ続けてくれれば「確かに」安定的な老後が手に入る。だが、そんな手品みたいな未来が「保証」されるわけはない。例えば、日本で言えば「日航」や「シャープ」のように、企業は好調さの陰で不要な設備投資や過剰な雇用や高賃金のために赤字体質を身につけるに至る。「日航」のように、株価を「0」円にするしか再生の出発点にすら立てないようなことが起きる。今の競争世界では、一時的に「一人勝ち」状態に入ること自体が、次に迎える「破綻への近道」となりかねない。GMの株を持っていた連中も、そこで働いていた連中も「安定した老後」を失った。

貯蓄をしている限り、元本は保証されている。だが、株券の存在意義は、「経済成長」が絶対条件だ。そのために、アメリカは経済を蒸かす必要に迫られる。それが、この世界の「カラクリ」だ。「カードでモノが買える」。つまり、人々は借金をしてモノを買う。そのことに慣らされ、人々は過剰にモノを買い続けた。だが、借金には「利息」がつく。その利息は収入が増え続けない限り、いずれ払い切れないほどに膨れ上がり、個々人の収支を狂わせ始める。そうなると、全体の購買力は一気に弱まってしまう。それでも、株さえ上がり続ければ、どうにか「辻褄」は合わせられる。そこで、アメリカは自国民にしたのと同じことを、世界中に拡げた。金融を緩和して世界中に$を撒き散らし、その$で買ってもらうものもセットにして世界にバラ蒔いている。

人々が借金でモノを買おうが、売る側の売上高は上がる。それは、ニューヨークダウを押し上げる力となる。問題は、売り上げ代金の回収方法だ。自国でやっていても、それは「不良債権」となってしまい、回収が効かなくなる。まして、発展途上国や後進国では、回収を迫れば、それらの国々が破綻してしまう。だから、アメリカは金融緩和を続けざるを得ない。

しかし、はっきり言って、それは「もう限界に来ている」。

今朝の日経が「世界の株価総額、6年ぶり最高更新 63兆ドル(6200兆円)超」と報じている。
私たちの暮らしは、果たしてそれに見合うだけ「良い」ものになっていると言えるのか?世界(アメリカ)の経済はそれだけ「復調した」と言えるのか?確かに世界にバラ撒かれたドルが、相当量に達していることだけは見て取れる。だが、6年前世界の株価総額は60兆ドルに登り詰めた後、30兆ドルへと「半減」した。経済と言うものは数字に裏打ちされている。この6年間で各国が貯め込んだ財政赤字や貿易収支の赤字は、一体どれほどのものに達しているのか?それをどうやったら、「チャラ」にできると言うのだ。全員が借金している世界では、誰が誰からその借金を取り立てれば良いと言うのか?

考えただけでも、ぞっとする。

(完)


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