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四半世紀をかけた出会い

人間一生懸命やっていれば、「幸運」が訪れる。その「幸運」は、いつでも「出会い」から始まるものだ。
無農薬/無化学肥料で丹念に育て上げられた「お茶」と出会った。この「茶葉」は「水出し」で飲む。そして、そのお茶は、「昔懐かしい」お茶の香りや味わいを思い起させた。すっきりとした喉越しとその後口中に広がる「ほの甘さ」は、他のものでは決して味わうことができない天然の甘さだ。勿論、「水出し」の水は、我が「箱島湧水」である。本物同士でなければ共鳴しえない繊細な味覚を、この組み合わせが生み出す。

この「水出し茶」がおいしいのは、確かに無農薬/無化学肥料で育てられているからだ。だが、それだけはない。おいしさの秘密の半分は「水出し」という点にある。ティーパックを水差しに入れ、1ℓ程度の「箱島湧水」を入れると40分程で少し薄めだが「黄金色」に染まる。この段階で飲むと、渋みがなく喉越しの良い、「体に良いものを飲んでいる」という感覚を抱かせてくれる。そして、日本茶の香りや味わいは僅かな時間差を持って口中に広がる。

お茶の生産者は「水出し」の効能をよく知っている。「氷」で出すのがおいしいと言う生産者もいる。だが、世の中が忙しくなり、いつしかそんな飲み方を勧めても「是」としないような風潮が社会を包んだ。「お茶を飲むのに、30分もかけていられない」と。また、「水道水の劣化」を誰もが知ることとなり、人々は挙って「水道水」を煮沸すると同時に「塩素」を飛ばしてから飲む様になった。この水道水の劣化に合わせるように「お茶」はどんどんおいしくなくなっていった。まずい水道水でお茶を入れれば、おいしくお茶でもまずくなるのは当然だ。他の農産物同様、「茶葉」にも農薬や化学肥料を施すことが当たり前のようになったことも、日本茶がおいしくなくなった要因だろう。
その上で、「バブル経済」だ。必要以上に茶葉の選別をして、「一番摘み」の茶葉だけをパックしたものを「高級茶」として売り出すようになった。金余りから、人々が「贅沢」を金で買うことに快感を見出した時代のことだ。そこで、「一番摘み」の収穫量を増やしたくて、農薬や化学肥料はふんだんに投与されるようになったのだろう。
一握りの「高級茶」とまずい茶葉だけを集めた「安いお茶」の両極端に分かれた選別・販売方法は、景気の低迷が続く低成長期に入っても元に戻ることはなかった。高級茶と言えども、お湯で出せば「一杯目」しかおいしくない。だから、この間に私も含めて「お茶離れ」は進行した。

(つづく)

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Author:窓男
水は、あらゆる生命の細胞をくぐり抜けることで生き物たちを束ねながら、地球と成層圏を舞台に、輪廻転生をくり返しています。
私たちは、その再生を果たしたばかりの「天然水」をお届けする、「天然水道」網の構築を目指しています。

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