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日本の水道の病理

小島 水道を早く普及させるにはこれが一番だと、大変な勢いで使われました。ご存じのように、水道全体の建設コストの8割ぐらいは、配水管や給水管の敷設で占められています。当時アスベスト管は、鋳鉄管に比べてたぶん半分ぐらいの値段でしたから、アスベスト管が大量に使われた。東京でさえ使ったんですから、まして財政的にも苦しい地方の水道では、さらに多く使われたはずです。

中西 現在(注1988年)、日本の水道管の21%がアスベスト管です。私の住んでいる千葉県松戸市の市営水道の給水区域では、8割以上がアスベスト管です。特に、人口急増地区は多いです。

小島 そうでしょう。アスベスト管の場合も、日本の水に向かないということを知らなかったですね。そのころは、水質についてそういう点までチェックしなかった時代です。実際に使ってみたら、日本は軟水ですから、管のセメント分がどんどん溶け出していって、アスベストの繊維だけが残るという現象が起こりました。

(つづく)

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Author:窓男
水は、あらゆる生命の細胞をくぐり抜けることで生き物たちを束ねながら、地球と成層圏を舞台に、輪廻転生をくり返しています。
私たちは、その再生を果たしたばかりの「天然水」をお届けする、「天然水道」網の構築を目指しています。

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