Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

抜粋 その9

NHKブックス487 「おいしい水の探求」小島貞男著 日本放送出版協会

急速ろ過法の2

急速ろ過法ではどのようにして水をきれいにするかというと、まず原水に硫酸ばんどとか、ポリ塩化アルミニウム(PAC)とかいったような薬、むずかしくいうと凝集剤を入れる。そして急速混和してよく薬と水を混ぜ、次いでゆっくり二〇~三〇分間もんでいるとゴミやらバイ菌やらプランクトンなどが互いに集まり、凝集剤がのりとなって大きな浮遊物に成長する。これをフロックというが、ちょうど綿をちぎったような軟らかいふわふわした外観となる。十分フロックが育ったところで水を静かに沈殿池という池に入れてゆっくりと流す。すると、大きな重いフロックはどんどん沈んでいって、やがて底にたまる。そこできれいになった上澄み水を集めて砂でろ過をするのであるが、ただしこのろ過の速さは大変速く、一日の速さに直すと一二〇~一五〇㎥の水が砂を通過して流れるという速さである。そこで急速ろ過法という名前がついたのであるが、こんなに速くろ過しても大丈夫なのは、あらかじめ薬品の力で浮遊物を集め固めてあるからである。したがって急速ろ過法では凝集工程が生命で、これがうまくできれば浮遊物の大部分が沈殿で除去され、残った部分がろ過で取り除かれるという仕組みである。事実、濁りについてはほぼ一〇〇%除去できるが、色度や細菌はどうしても数%は漏れる。また、プランクトンは五%くらいは水道水中に残るし、小動物も漏れるというのが急速ろ過法の実力である。(つづく)
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