Water Diary

水を通して見える世界の話を、日記に綴ります

水ビジネス最前線


⑤販売チャンネルの増大という点に関しても記します。往復便に利用するボトルは単価が高いため、店頭売りには適しませんでした。が、8リットルペットボトルは、2リットル以下のペットボトル同様売り切りの商品です。そのため、地元の道の駅や農産物の直売場、お土産屋さんや旅館、酒屋さん等々でも販売していただけます。マイカーでお越しのお客様にお買い求めいただければ、送料が不要となるので、より「割安感」を感じていただけるでしょう。往復便では不適だったネット通販市場でも、8リットルペットボトルの2本組は目敏い消費者にその存在感を示し始めています。

⑥ウォーターサーバーは、家庭用電化製品です。しかし、電気屋さんでは売られていません。それを無料で貸すために、「宅配水」の価格は高く設定されてきました。現在宅配水業界では、「月2本をお使いいただければ、サーバー料無料」というプランを販促の切り札としています。しかし、いくら水を高く売っても、実際に使っていただける本数が月2本では、サーバーにかけた費用の回収はできません。また、消費者側からすれば、水があまりに高いため、ほとんどの方は飲み水に限定した利用方法を取ることしかできないのが実情です。
このビジネスは、機材を無償で貸すことで末永くガス料金をいただくことを生業としてきたLPガス業界が、机上の計算で始めた商売です。その皮算用には「月6本お使いいただく」ことが明記されていました。それが蓋を開けてみると、実際の使用量は月3本にも満たなかったのです。このビジネスが利用者を獲得できないまま衰退局面を迎えた「必然」が、この「根拠のない皮算用」にあったことは明らかです。

(つづく)


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③「現在の公共水道に取って代わる」ということは、「万人が供給の対象となる」ということです。万人が使う水道を供給するためには、相応の「水源」と「生産者」が不可欠となります。この事業は、一つや二つの大企業が請け負うことなど到底できるものではないのです。草の根の「生産者」が、地域毎に根を張り供給する態勢が必要となります。水源は山間部を中心とした農村となります。それらの地で作られた「天然水(道)」が、近隣や流域の都市に住む人々の食生活に活かされる様になれば、地方経済や農村の復興にも一役買うことになります。日本にとって唯一とも言える「天然資源」を、地方の活性化・収入の柱に据える。それが、「日本経済の再生につながる」ことは、誰の目にも明らかなことでしょう。

④運送会社の値上げが、8リットルペットボトルを新たな戦略の核に据える契機となったと書きました。その点を、もう少し詳しく記します。今までの運送会社の運賃体系は、とてもいい加減なものでした。「60〜160サイズ(荷物の縦・横・高さの3辺を足した数値)」の料金が同一だったのです。そのため、荷主としてはできるだけ「サイズを大きくして運んでもらおう」と考えてきました。たとえば、宅配水で言えば、60サイズよりも160サイズの方が運賃のリッター単価を下げることができます。そして、「宅配水は送料無料」を謳い文句としていましたから、大きいサイズのものの方が商品代金を「安く見せる」効果がありました。
それが、運送会社の値上げ案では、サイズ毎に運賃が上がるように改定されました。しかし、どう改定しようが、それは人が決めることなので、荷主にとって「一番お得なサイズ」というものが生じます。弊社が目をつけたのが100サイズですが、8リットル2本組を100サイズに収めることができるボトルが今年早々には出来上がります。このサイズに収めると、特に近隣に配送する場合の運賃が安くなります。日本郵便が、このサイズのものをどの運送会社よりも安く運びます。そして、日本郵便だけが「県内特別料金」を設け、安く運んでくれます。それは、「草の根の生産者が瓶詰めした天然水(道)を、近隣や流域の都市に住む人々に届ける」という将来像とも合致する物流となるでしょう。

(つづく)


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⚫8リットルペットボトルの優位性

①運送会社による値上げで、往復便での「天然水のお届け」「空ボトルの回収」という従来の方式の継続が不可能となりました。それは従来の方法論を根底から覆すこととなった代わりに、価格の抜本的な見直しの余地を一気に広げることにつながりました。2リットルのペットボトルと比較すると、8リットルという容量は2リットル4本分に相当します。そこで、単純に、「2リットルボトル4本+キャップ4個」と、「8リットルボトル1本+キャップ1個」の原価は、どちらが、どれほど高いのか?という比較をしてみましょう。
現状では、大きなミネラルウォーター工場では、ペットボトルを作る成形機を有しボトルそのものも製造しています。そのため、どちらに軍配が上がるかは微妙ですが、「大差はない」というのが、私の見解です。その見立てが正しいなら、8リットルペットボトル入り天然水を、安価な2リットルペットボトルと同程度のリッター単価で売ることはできるはずです。その上で、8リットルボトルが普及して行けば、形勢は容易に変わることでしょう。多くのボトル工場で8リットルボトルが作られるようになれば、その調達コストが下がるのは必然だからです。

②次に、2リットルペットボトルと8リットルペットボトル詰めのミネラルウォーターのプラントについても、比較して見ましょう。2リットルペットボトルの場合は、大量生産が大前提となるため、プラントの規模は必然的に大きなものとなります。一方、8リットルペットボトルの場合は、プラントの規模を一気にコンパクト化することができます。それでも、弊社のオリジナルプラントでは時間当たり100本の製品を作ることができます。月産にして25,000本に上る製品を製造することができるのです。

(つづく)


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借金に次ぐ借金を重ねる国の財政を見れば、「最早、水道の維持・管理を国に任せることはできない」ことは明らかです。湧き出たばかりの「天然水」を「地産地消」するシステムを組む。単位はどれほど小さくとも良いので、エリア毎に需要に見合った供給を民間が請け負う。その態勢を積み上げて行けば、「現在の公共水道よりも、遥かに安価で、価値の高い天然水を全国民に供給することができます。」アメリカで発達した5ガロン詰めの宅配水は、「経済性」「安全性」を背景に、実際に公共水道に取って代わりました。

しかし、それが「天然水の宝庫」である日本では、遅々として前に進みません。私たちが「天然水」を源水として、アメリカに倣って始めた事業は、後発の「アクアクララ」等により、「都会の水道水」を源水とした「人工水」の攻勢に圧倒されてしまったのです。不況に喘ぐ日本では、「アクアクララ」等供給側の「水は儲かるもの」という「皮算用」に代理店が乗せられ、アメリカとは全く異質な宅配水業が形成されることとなりました。
ただ、「利用者の必要性や経済性」を無視した商品が、人々に「受け入れられる」ことはありませんでした。まして、生活にとっても、健康にとっても不可欠な「水」は、「公共水道に取って代わる」という「大義」なくして、普及する道理はありません。そして、万人が必要とする水道の供給は、相応の「水源」と「生産者」の確保という裏付けなしに達成することはできないのです。

そこで、私たちは、「現在の公共水道に取って代わる」という目標を掲げ直し、その目標達成のために新たに「分かり易い」戦略を組み立てることとしました。それは、「8リットルのペットボトルに詰めたウォーターサーバー仕様の天然水を、2リットル以下のペットボトルと競合できる価格で販売する」というものです。

(つづく)


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そうした中で、3ガロン・5ガロンによる往復便も、日本ではその姿を消そうとしています。アメリカで発達したガロンボトルによる「水宅配事業」は、今や完全に公共水道に取って代わっています。また、元々公共水道を持たない国々でも、「水道」に代わる「飲食用水」の供給法として、このボトルが大活躍をしています。「飲食用」に使う「水」の供給には、大型の容器が不可欠です。また、日常的に使うものですから、「使い捨て」容器では不経済なだけではなく、誰もが「Mottainai」と感じるため、ガロンボトルは世界中で普及しています。
ただ日本だけは、このボトルが定着する機会を逸してしまいました。それは、端的に言うと「日本の宅配水事業が、アメリカのように公共水道に取って代わる」という「大志」を抱かないまま、見当違いな商売に終始してきてしまったからに他なりません。

「水は儲かる」と考える人たちにより、日本では「都会の水道水を逆浸透(RO)膜で濾し、瓶詰めにする」という安直な方法が取られました。「製造工場を消費地に建てれば、運賃を最小化できる」。そうした皮算用で商品化した「瓶詰め水」を、箔を付けて高く売る。そのために、ウォーターサーバーを無償で貸す。この「見え透いた商法」が、人々の「良い水を飲みたい」というニーズを満たすことはありませんでした。そして、皮肉にも「水があまりに高かったため、折角高いサーバーを無償で貸しても、その元手の回収すらできない」という「お粗末」な「商売」となってしまったのです。この「割の合わない」商売は、サントリーやオリックスが手がけても、同じ結果を招くことしかできませんでした。
結局、足掛け30年にも及ぶ、日本版「ガロンボトル宅配ビジネス」は、「時代の要請」に応えることのないまま幕を閉じようとしています。そして、このビジネスに最後の引導を渡したのは、インターネット通販の隆盛と運送会社の運賃値上げといった「潮流」だったことも付け加えて置きます。

(つづく)


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